もっとワクワクする明日へ
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トップコミットメント
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トップコミットメント

2023年1月1日をもって、ディ・エム・シーは同じアスコグループのシーズウェアと合併するとともに、両社製品の統一ブランドとして「DUSH」(ダッシュ)を立ち上げ、新生ディ・エム・シーとしてのスタートを切りました。今回のトップメッセージでは、代表取締役社長 定 達也と取締役副社長 和田 進に新生ディ・エム・シーの経営理念・ビジョンに込めた想いと、ディ・エム・シーが目指すサステナブル経営について聞きました。

シーズウェア合併で新生ディ・エム・シーがスタート。より幅広い分野で、事業を通じた社会課題解決に貢献

株式会社ディ・エム・シー
代表取締役社長
定 達也

日常に不可欠な存在となったタッチパネル

----- ディ・エム・シーの創業が1973年、タッチパネルの製造開始は1991年からですが、市場が大きく変わったとお感じですか。

当社の強みであるセンサー技術を応用したタッチパネルや関連モジュールの製造販売が主力事業でしたが、昨今は当社製のタッチパネルを組み込んだタッチパネルコンピューターやタッチパネルモニターのニーズが高くなりました。

和田ニーズの変化は労働人口の減少による人手不足も背景にあると思います。当社製品の多くは工場などで使われる産業設備機器向けで、機械を操作するのも熟練作業者に限られていました。ところが近年は熟練度の低い作業者でも使いこなせる簡便な操作性のニーズが急増しています。POSレジや病院内セルフ精算端末のような一般の方が操作する分野にも用途が広がっており、当社の製品にはより高い操作性が求められてきていると実感しています。

----- いっぽうでコロナ禍という生活様式を一変させる出来事がありましたが、これによって関心が強まった分野もあるのではないでしょうか。

和田診断、分析、検査に関わる医療機器でタッチパネルが用されており、手術中の操作でパネルにウイルスや細菌が付着しても感染を防ぐ抗菌機能や、指紋や血液でパネルが汚れても見づらくなるのを防ぐ防汚機能を持つ製品に、関心が寄せられています。

労働力不足や高齢化社会の進展に伴う高度な医療ニーズへの期待など、現在、日本が抱える社会課題に関係の深い分野で需要が伸びていると思います。そうした市況下にあって、当社はより広範囲なニーズに応え、お客様の課題解決に貢献できるよう、2023年1月、同じアスコグループのシーズウェアと合併しました。タッチパネルやモジュールを中心に手掛けてきたディ・エム・シーと、より製品ユーザーに近い立ち位置で、タッチパネルコンピューターやモニターなどのパネル組み込み製品を手掛けてきたシーズウェア、それぞれが有する技術とノウハウによるシナジー効果で、幅広い分野と市場の変化に俊敏に対応できるようになりました。

和田お客様の多くはグローバルに事業を展開されており、当社の市場もグローバルに広がると期待しています。ただし、それにはお客様から困難を伴う課題をともに解決していけるパートナーとして選ばれる会社であることが必須条件だと考えています。これを実現するのが今回の統合の最大の目的です。お客様と手を携え合い、課題を一つひとつ解決し、ともに成長していくことで結果的に社会の持続的な発展に寄与できると考えます。

ディ・エム・シー/シーズウェア両社の製品統一ブランド「DUSH」に込めた経営への思いとメッセージ

株式会社ディ・エム・シー
取締役副社長
和田 進

経営理念改訂とそこに込めた想い

----- 合併と併せて改訂された経営理念では「物心両面が幸福で持続可能な『ワクワクする明日』を追求する」と記されていますが、そこに込められた想いをお聞かせください。

我々が属するアスコグループは「もっとワクワクする明日へ」というスローガンを掲げています。経営理念改訂にあたりあらためて経営陣で私たちにとって「ワクワクとは何か」を議論しました。昔を思い起すと厳しい局面であっても情熱を持って仕事に打ち込んだ時が、一番ワクワクしていたと意見が一致しました。

例えば2011年に起きた東日本大震災のとき、旧本社工場周辺が立ち入り禁止となり生産を止めざるを得ませんでした。しかも2010年から新製品の立ち上げに取り組んでいた矢先のことです。とにかくお客様への納期は死守しようと、旧来製品の生産をインドネシア工場へ移管し、新製品は外部の生産パートナーを探すなど、従業員が一丸となって窮地を乗り切りました。このときばかりは苦しい経験でしたが、皆が情熱を持って取り組むことにより、ワクワクする未来が広がることを経験しました。このような経験を誰もができる、情熱を持って働ける会社を目指したい、そんな想いを新しい経営理念に込めています。

和田新ブランド「DUSH」にも、経営への想いが込められています。D、U、Sは、ディ・エム・シー、ユニテック(タッチパネルの応用技術開発を担うグループ会社)・親会社のアスコ、シーズウェアの頭文字です。最後の「H」は、「Happiness」です。自分たちだけがハッピーになればよし、ではなく、我々グループの力を結集し、関係する全てのステークホルダーの方々とともに成長しハッピーになることへの想いを込めました。アスコグループの経営理念である「もっとワクワクする明日へ」は、英語で「ChallengingToday for an Exciting Tomorrow」としています。変化することをおそれずにチャレンジを重ね、世の中を幸せにしていきますというメッセージです。

チャレンジを続けるのは、しんどいことかもしれませんが、苦しみながらもお客様と一緒に課題を解決していくことが、我々もより一層ワクワクを感じられるはずです。

カーボンニュートラルに向けて

----- 2050年カーボンニュートラル実現に向けて、お客様からCO₂ 削減の要請が増えてきたとお聞きしていますが、取り組みの進捗はいかがですか。

当社ではCO₂ 削減目標として2025 年に26.6%減を掲げており、いまのところ順調に取り組みが進んでいます。

和田取り組みの具体例としては、製造法の転換があります。製造工程の一つであるウェットエッチング(ガラスやフィルムの回路パターン形成に腐食を利用する加工)は、非常に大きな電力を要します。これを廃してレーザーを用いた製造法に転換することで、電力消費を大幅に抑制できるのではないかと考えています。2025年までの実現を見据え、すでにプロジェクトを立ち上げて設備の選定を進めています。

原材料や製品の輸送に伴う環境負荷もまた、看過できない課題と捉えています。当社では、タッチパネルに用いるガラス板は中国から輸入し、日本とインドネシアでタッチパネルを製造しており、調達から製造の工程で中国、日本、インドネシアを行き来しています。そこで調達先を見直し輸送ルートを短縮することで、コスト削減とともにCO₂ 排出量の削減を見込んでいます。

環境の取り組みと利益はトレードオフの局面もあります。品質向上を目的に汚れ防止フィルムを使用していますが、多く使えばパネルの不良品を減らせる反面、フィルムの廃棄が増えてしまいます。ただ見方を変えればフィルム使用のデメリット以上に、パネルの廃棄物を減らせるメリットが大きくもあります。こうした収益の向上と環境への取り組みのバランスを、うまく舵取りすることが経営者の責務と考えています。

和田近年、主要なお客様がDXと併せてGX(グリーントランスフォーメーション)に力を注ぎはじめ、業界全体がグリーンの方向に舵を切りつつあります。今後、そうしたトレンドは一層加速していくはずであり、当社としても省電力を意識した装置の開発にも尽力していきます。

いずれの取り組みも道半ばですが、工数や原材料の削減など、かねてから推進している廃棄や無駄の削減にもつながる重要な取り組みであり、その過程で製品の改良、品質向上が促され、よりよい企業経営へと還元されていくはずです。上流から下流まで、サプライチェーン全体でサステナビリティに対する意識の向上を図りながら創意工夫を重ね、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

永続的に世の中に必要とされる企業へ

----- 「インターフェースソリューションのリーディングカンパニー、変化に対応し成長し続ける101 年企業」というビジョンの意図をお聞かせください。

もともとは100 年企業(100 年続く企業)になりますとしていました。しかしインドネシア工場の従業員から「100 年を目指すのでなく、さらにその後も永続的に続く企業でありたい。だから101 年にしてはどうか」と提案があり、これを採用しました。

和田当社はインドネシアに生産拠点、台湾、イタリア、アメリカにも支店を持つ社内に多様な人材を擁するグローバル企業でもあります。海外の従業員は向上心が高く、情熱的です。これは日本の従業員も見習って欲しいです。多様な人材が刺激し合いながらノウハウを培い、異なる強みが掛け合わさることで起こる化学反応によって、より実効性の高いソリューション提案が可能になるはずです。そうして培われた経験を次の世代につないでいく、その積み重ねが、101 年企業実現の原動力になると確信しています。

----- では最後にステークホルダーの皆さまにメッセージをいただけますでしょうか。

和田企業は人なりとよく言われます。経営層として、従業員の目線に立って個々の声にしっかり耳を傾け、会社を従業員一人ひとりの強みを一層引き出せる場へと進化させていく所存です。

2023 年度入社の新入社員には、常に自ら考え、課題と対峙し、解決へと至るアプローチを考案していく姿勢を持って欲しいと伝えました。これはお客様のひいては社会の課題を解決していく上でも非常に重要なファクターです。各々が思考し続け、情熱と誇りを持って業務に邁進しながらワクワクする明日を切り拓いていく。そして未来を担う次の世代へと想いをつなぎながら、101 年後のその先も世の中に愛され、必要とされる企業を目指します。